思春期というのは、いわゆる成長期。
成長軟骨(骨の両端の部分)がさかんに成長し、骨が伸びていく時期です。
成長軟骨はやわらかく、衝撃を受けると潰れたりズレたりして障害を受けやすい
という特徴があります。
ですからその時期に大きな荷重を骨にかけるのは避けた方が賢明です。
とはいえ、まったく荷重をかけてはいけない、というわけではありません。
極端に大きな荷重であったり、量をこなしすぎるのは危険ということです。
とくにものを担ぐ動作は腰椎の成長軟骨に影響してしまう危険性があるので、重いバーベル
を担いでのスクワットなどはやめておいた方がいいでしょう。
それから気をつけたいのはジャンプ系のトレーニング。
これは軽い負荷であっても、瞬間的に大きな荷重がかかります。一回の時間が短いとはいえ、
あまり多くの回数をこなして繰り返し刺激を与えると障害につながる可能性があります。
中学生などによくみられるオスグッド病(膝のお皿の下が腫れて痛くなる)もジャンプ動作の
反復を主な要因とする膝の成長軟骨の障害です。
子供にスポーツを指導している人は、体の変化を注意深く観察しておく必要があります。
身長がさかんに伸びている時期は無理なトレーニングをさせないように配慮すべきです。
一年間に10cmほども身長が伸びる時期もありますが、そんな時期に強いストレスを骨に
与えすぎると、障害が起きる危険性が飛躍的に高くなります。
成長軟骨の成長は、一般的に思春期の終わりとともに終了します。身長が伸びるピークを
過ぎてから9ヶ月〜1年くらい経過すれば、かなり強い負荷をかけても差し支えないと
考えられます。
<筋肉まるわかり大辞典 石井直方著> を参照しています。