筋肉痛には2種類あります。
「即発性筋肉痛」と「遅発性筋肉痛」です。
即発性筋肉痛は運動後すぐに起こるもので、さらに筋膜の断裂のような障害の場合と、疲労物質が溜まることなどによって起こるものがありますが、多くは後者です。
疲労物質とは、乳酸と一緒につくられる水素イオン。
それによって筋肉が極度に酸性になると、「痛い」「だるい」「重い」という感覚が生じるのです。
もう一つの遅発性筋肉痛は、運動後翌日や翌々日に筋肉が痛いというもので、いわゆる一般的な筋肉痛です。
運動によって筋細胞の中にミクロの傷ができ、そこで炎症反応が起こる。
炎症が起こると、外傷や毒素なので活性化するヒスタミンが多くつくられます。
その中に痛みや痒みを引き起こす物質があるので、炎症とともに筋肉が腫れ、熱感があったり、力を入れると痛くなるという状態になるわけです。
特に筋肉痛が起こりやすい運動は、「ブレーキング動作」です。
例えばベンチプレスの場合、バーベルを上げるのではなく、下ろす動作で筋肉は傷つきやすく、山登りなら、登っただけでは筋肉痛は起こりにくいのですが、下りると起こる。
スキーの後に筋肉痛になるのも同じ理由です。
筋肉の傷つきやすさは筋肉の状態にも依存していて、運動をサボりがちな人がたまに運動をすると、すぐに筋肉が傷ついてしまいます。
年を取るほど筋肉痛が起こるというのは、普段の運動レベルが低いことが原因でしょう。
また年を取ると、筋肉痛が遅れて感じるようになるというのも、激しい運動によって起こされる即発性筋肉痛よりも、持久力を必要とするような運動によって起こされる遅発性筋肉痛の方が相対的に多いために、時間がたってから筋肉痛がやってくると感じるのでしょう。
筋肉痛が起こってしまった場合、運動直後なら冷やすのがベター。
そして夜になったら、入浴後にストレッチなどをして血行を促進し、炎症の治癒を早めるのがいいでしょう。
また運動後にストレッチなどでケアしておくことで、筋肉痛を軽減することもできます。